シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「ティアラ姫じゃなくて!!! 芹霞、勝手にふらふら行かない!! ティアラ姫から離れて、普通の感覚に戻ろうよ。
どうして君はあれが好きなの? 僕だって君の意見は尊重したいけど、あれは…凄すぎる。もうちょっと、もうちょっとね…?」
何だか玲くん涙目で。
「玲くん…嫌いなの?
そんなに…嫌い?」
つられてあたしも涙で瞳を潤ませ、上方の鳶色の瞳を見遣れば、
「………」
何だか玲くんは少し赤い顔をして俯いてしまって。
「玲くん?」
更に、身を屈めて真下から顔を覗き込めば、
「僕が好きなのは…君だけだよ?」
それはそれは極上スマイルで反撃され、動きを固めたあたし。
「よし、今の内に芹霞を運ぼう」
玲くんに抱きかかえられるようにして、エスカレーターに運ばれた。
まるであたしは固まったマネキン人形。
遠ざかるティアラ姫に、悲嘆の涙を流した。
ティアラ姫…
また会おうね?
今度会う時まで、3割引の素敵な貴方でいてね?
そして連れて行かれたのは、可愛い洋服が売っているブティック。
有名なお店なのか、多くの女の子達が服を見ていた。
どれもこれも可愛いものばかり。
誰も彼もが、それに似合いそうな女の子ばかり。
その中に飛び込んだ玲くん。
麗しい王子様の格好はさることながら、玲くんは紫堂財閥の次期当主として有名人になっているらしい。
キャー。
悲鳴のような黄色い声が飛ぶ。