シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
まるで大人気芸能人を見つけたような、そんな黄色い木霊がフロアに反響する。
しかし当の玲くんは、やはりまだ固まったままのあたしを抱きかかえ、あたしに服をあててたり考え込んだり…真剣に選んでいるようだ。
気にしている様子もない。
あ、あたし…いいんだろうか。
玲くん…。
す、凄い嫉妬の眼差しが…。
「ん…。やっぱり、デザインは"赤"のお店が一番だよな。芹霞の為に生まれたような服だし。此処では…愛情が感じられないんだよね、服に」
そして今度はまた、違う店に。
キャーキャー。
女の子達の黄色い声。
「此処は尚更、駄目だね」
キャーキャー。
凄い。店を移る度に、女の子達が店単位の数で玲くんのおっかけを始めた。
その数はどんどん膨れあがっている。
「うーん。僕が作って上げたいね。愛情たっぷりのお洋服」
玲くん…。
愛情なんて服に求めなくてもいいから、玲くんに愛情を求める彼女達を何とかして欲しい。
ああ、嫉妬と羨望の眼差しに…あたし死にそうだ。
しかしやはり動じる様子もない玲くんは、依然違った意味で固まるあたしを抱えたまま、上下の階を行き来して。
「うーん。これなら、最初の店の方がまだいいかなあ」
そしてまた最初の店に戻り、主に上半身が酷い血痕を隠すカーディガンと薄いピンク色のコートを注文した。
「うーん、もう少しいい服、あると思ったんだけれど。だけどその格好でうろうろしてたら、君も気になるだろうし。ちょっと妥協してね? またいい店あったら、その時はその時で」
「ごめんね…あたしが不細工だから、似合う服なくて」
「………。
本当に君はそういう処が可愛いよね」
ちゅっ。
ギャーギャー。
今…あたしの言葉に可愛い要素があっただろうか。
ごめんなさい、お姉様方。
気持ちはよく判ります…。