シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「玲くん…お金はあたしが!!」
いくらかは知らないけれど、分割70回以下ではあるはずだ。
「駄目。僕のプレゼント」
お財布から現金を取出す時、
「ああ、現金足りてよかった…」
少しほっとした声は聞こえたけれど。
「駄目だって玲くん」
「君は僕にプレゼントしてくれただろう?」
玲くんはバングルを口付けて、存在を示す。
その仕草だけで周囲は大歓声だ。
「それはそれで、これはこれで」
「いいからいいから」
「よくないって、玲くん。あたしを甘やかしすぎだって!!」
「甘やかさせてよ。こういう時ぐらい」
そう言った玲くんの微笑みは哀しげで。
凄く胸が締め付けられた。
「彼女を甘やかす彼氏をさせてよ、お願いだから」
ケッコンスルノニ。
「僕…君を甘やかしたいんだ。誰よりも」
思い出…
「甘やかしたいんだ」
思い出にしたいから?
ずきん。
また心が痛んだ。
「あの……」
そんな時、今まで接客していた初老の男性が近くに現われた。
ネームプレートには店長とある。
「あの…お願いがあるんですが」
突然彼から声をかけられて、あたし達は怪訝な顔を向けた。