シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「どうでしょうか」
ぱくぱく、ぱくぱく…。
玲くんはお返事しない。
迷っているのかな。
「どうでしょうか」
ぱくぱく、ぱくぱく…。
珍しいな、玲くんが此処まで考え込むなんて。
「ねえ君、ケーキを食べてないで」
ぱくぱ…。
「は?」
あたしに聞いてるの?
「そりゃあ玲くんなら間違いなくあたしからも太鼓判…」
「彼氏の太鼓判はいいんですが、此処は婦人服の店。君みたいな可愛い子に、うちの服を着て宣伝して貰い、彼氏くんとこう…ラブラブっていう空気で店内を歩いてくれれば…」
あたしがサクラやれって!!?
何故あたし?
あたし、こんななのに!!!
店長さん、もう老眼!!?
そう言ったら、凄く嫌な顔をされた。
「それは、芹霞メインということですか?」
玲くんの固い顔。
玲くん、言ってやれ!!
玲くんこそがメインになるべき素材なのに、何でこんな貧弱女が玲くんをお供に引き連れないといけないんだ。
あたしは完全、裏方さんの素材。
表舞台に立つべき玲くんが、機嫌を損ねるのもよく判る。
玲くんこそが、神様からも選ばれた人だ。
「そう彼女がメイン。ここはスタジオもあるから、お化粧とかもきっちり出来るし。プロのメイクをして貰えるし。あ、此処に芸能人もよくくるんですが、化粧だけでも直して欲しいと飛び込みで来るほど、腕は一流です」
「尚更、お断りします」
玲くんの断固たる拒絶に、あたしも頷いた。