シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
APEXでは僕も動揺していたんだろう。
落ち着いて客観視出来れば、きっと気付けたはずだったのに。
「何でそんなことが出来るんだ!!?」
「…だから必要になったのか。
未知なる…"輝くトリペソヘドロン"が」
それは天然素材か、加工したのか…
その判断はつかないけれど。
無関係ではあるまい。
「あたし、頭狂いそう!!! それじゃなくてもタケノコみたいににょきにょき馬鹿でかい塔が"生えて"きたというのに!!!」
僕は、頭を抱えて唸りだした芹霞の頭をひと撫でした。
「じゃああの塔は、虚数変換装置みたいなものだというのか!!?」
「それだけじゃないだろうな、多分。
これだけ派手な演出をしておいて、
変換だけには終わらないだろう」
僕は…塔を見つめる。
暗闇に溶けそうな黒い塔。
それは何処までも円筒状の…
ん?
「ねえ…あの塔の上、何か出っ張ってない?」
2人は目を凝らしているようだ。
「そう言われれば。あそこで"0"と"1"を取り入れてるの?」
「いや…誘導は、この塔全体のような気がする。塔というより、外壁が」
「だったらあの出っ張りは?」
「がはははは。"i"の周波数を放出してるんだぞ、きっと」
それは単純明快な答えなれど。
ふと…思ったんだ。
「ねえ…話戻すけれど。
電磁パルスの爆発話」
2人は首を傾げた。