シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


それを語っていたのは誰だったか。


櫂か桜か煌か。


青い光が、何かに接触する瞬間、電子基板のようなものが見えると…多分、皆が皆、万年筆の力を見た時にそう表現していたはずで。


実際僕もそれを見ていたはずなのに。


思い出せなくなるくらい――

どうして今は見えない?


何かひっかかるものを感じていた僕に…


殺気!!!


同時に――


闇を切り裂くように双匕首が飛んでくる。


「三沢さん、危ないから車戻って!!!」


僕はそれを手刀や蹴りで弾き飛ばしながら、叫んだ。


「ここここ…腰抜けて…!!!」

「えええ!!? もう少し頑張ってよ!!! 此処まで移動出来たでしょう!!?」


次々と飛んでくる双匕首。


数が多すぎる。


そして――


記憶のものより、威力と早さが増していた。


まるで鋼の結界。


近付こうとすれば、更に威力を増し…広範囲の攻撃となる。


避ければいいだけなら、迷わず僕は突っ込んでいただろうが、今は三沢さんがいる。


多分僕が三沢さんに構って気を弛めれば…


良くて双匕首は僕達を掠め――

悪くて僕達にぶすりと突き刺さる。


更に何か塗ってあれば、完全にOUT。


それくらいには、脅威さはあった。


今でさえ慎重に弾いている僕は、

三沢さんのことに気を取られている余裕がなく。


「ひいいい!!!?」


しかも…

次々に頭を飛び越えて襲いかかる武器に、

頭を抱えた三沢さんは、パニックをおこしかけていた。
< 756 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop