シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
それを語っていたのは誰だったか。
櫂か桜か煌か。
青い光が、何かに接触する瞬間、電子基板のようなものが見えると…多分、皆が皆、万年筆の力を見た時にそう表現していたはずで。
実際僕もそれを見ていたはずなのに。
思い出せなくなるくらい――
どうして今は見えない?
何かひっかかるものを感じていた僕に…
殺気!!!
同時に――
闇を切り裂くように双匕首が飛んでくる。
「三沢さん、危ないから車戻って!!!」
僕はそれを手刀や蹴りで弾き飛ばしながら、叫んだ。
「ここここ…腰抜けて…!!!」
「えええ!!? もう少し頑張ってよ!!! 此処まで移動出来たでしょう!!?」
次々と飛んでくる双匕首。
数が多すぎる。
そして――
記憶のものより、威力と早さが増していた。
まるで鋼の結界。
近付こうとすれば、更に威力を増し…広範囲の攻撃となる。
避ければいいだけなら、迷わず僕は突っ込んでいただろうが、今は三沢さんがいる。
多分僕が三沢さんに構って気を弛めれば…
良くて双匕首は僕達を掠め――
悪くて僕達にぶすりと突き刺さる。
更に何か塗ってあれば、完全にOUT。
それくらいには、脅威さはあった。
今でさえ慎重に弾いている僕は、
三沢さんのことに気を取られている余裕がなく。
「ひいいい!!!?」
しかも…
次々に頭を飛び越えて襲いかかる武器に、
頭を抱えた三沢さんは、パニックをおこしかけていた。