シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 


どうする?

どうするんだ?


あたしは覚悟して、玲くんに抱きついて"ぎゅう"をした。


流石に"ちゅう"は出来ない。


これで気づいてくれ。


どきどきが止らない。


しかし玲くんは…


「ふふふ。甘えっ子の君も可愛いね」


"ぎゅう返し"で反撃してくる。

するすると後頭部を撫でられた。


ああ、いつもあたし玲くんに抱きついていたから、いざという時には伝わらない。


もうこうなったら!!!


現実的な…"お試し"問題を持ち出して…。


「玲くん!!!」


「ん?」


「あ、あのね…」


にこにこ、にこにこ。


言いづらい…。


だけどがんばれあたし。


「"お試し"のことなんだけど…」


ぴたり。


玲くんの顔から笑みが引いた。


な、何で突然真顔になるの!!?


「"お試し"が…何?」


ど、どうして顔が険しくなるの!!?

どうして声音が低くなるの!!?


「あ…いやまた今度で」


完全逃げの姿勢のあたし。

握られたままの手に、力を込められた。


「言って」


逃げられない。

この話題は、今してはいけない禁忌の話題だったことを悟ったあたし。


何で禁忌か判らないけれど、玲くんにはNGだったらしい。


「芹霞!!」


あたしから振った以上、責任取るのが筋だよね。


だけどこんな状態で、はっきり言えるほど度胸が無く。


びくついて、顔を引き攣らせながら…


「い、いや…もうこんな状況でバタバタしてるし。もうこの辺りで…」


"本物にしちゃうっていうのどうかな?"


そう冗談っぽく、明るく聞いてみようと思ったのに。



「何で?」


最後まで聞かずにそう言ったということは、玲くんはあたしが何を言い出すのかくらい、きっと判っているはずなのに。


もしかして…


拒否されてる?

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