シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「鼻に諸の不浄を嗅ぎて 心に諸の不浄を嗅がず
口に諸の不浄を言いて 心に諸の不浄を言わず」
ふと、煌のことを思い出した。
――そして、共食いに至る蛆を放って、葉山を抑えつけ、発作を起こした師匠を笑って消えたんだ。
あいつ…何で蛆を操れたんだろう。
そこまで瘴気に塗れていたか?
そして尚且つ思い出したのは、
久遠が言っていた――
血色の薔薇の痣(ブラッディ・ローズ)
黄色い蝶を見た少女に出来る痣。
それを煌が狩っていると言っていたはずだ。
煌が狩っていたのは、操られているからとして。
今――
遊園地で逃げている黄色い蝶の目撃者には、もれなく痣が出現しているのだろうか。
黄色い蝶が見える者と見えない者。
その境界が何処にあるのかが判らない。
「身に諸の不浄を触れて 心に諸の不浄を触れず
意に諸の不浄を思ひて 心に諸の不浄を想はず」
どうして俺は見えないのか。
どうして芹霞は見えたのか。
性別に理由があるのなら、
どうして玲には見えた?
ああ、そういえば…
朱貴にも見えていたはずだ。
可視不可視の基準は何だという?