シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 

「折角落ち着いたと思ったのに、

また…敵か!!!?」



蓮の苛立ったような声が響き渡る。


「今度は…何を投下する!!?」



俺も久遠も武器を握りしめた。


戦いが…再開されるのか。


戦いは…終わらないのか。



大きなヘリだった。

何十人もの人も人以外も乗せて運べるような…

まるで大型軍事用ヘリ。


何故か――

心臓が震えた。



あれの降下を許せば…

よくないことが起る気がして。


俺が俺で居られなくなるような、

妙な不安感に襲われた。


それは悪い予感とでも言うべきか。


きっと…窮地に陥る。


ダレガ?

ナニガ?


「おかしいと思ったものは、排除した方がいい。

あのヘリを破壊するぞ」


その方がいい。


あまりに異質なあのヘリ。


何を運んでいるのか判らないから、余計気になって。



久遠は大鎌をヘリに投げつけた。


回転しながら真っ直ぐにヘリに向かった鎌は、プロペラにひっかかり、ヘリは傾き…安定を崩した。



墜落すると思った瞬間。


そのドアが開かれ――


ばらばらと人が落ちた。





――あれは!!!?




久遠が突如地を蹴り、

力一杯叫んだんだ。





「せりッッッッ!!!!」




――と。



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