シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
だからあたしは――


「よかった!!!」


飛び上がって喜んだ。


ほっとした。

凄く安心したら、気が緩んでまた涙が出そうになってくる。


玲くんは無事でちゃんと生きてた!!!


凱の奇襲とヘリの墜落。


連続した危機到来の何れも、玲くんは自らの身体を犠牲にしてあたしを守ろうとしてくれた。


それが玲くんという人物の気質というより、そこまで大切にされていると自惚れてもいいのなら、心動かされない人間はいないだろう。


あの危機的状況の中、玲くんの覚悟を悟ったあたしは…何とかして危機を回避しようと必死に考えながらも、玲くんの愛情を感じて嬉しいと思う自分も感じていた。


玲くんを傷つけたいわけじゃないのに。

玲くんを苦しませたくないのに。


度重なる玲くんの"覚悟"を間近に見れば…


目には見えない愛という形が、玲くんの負傷という形で目に見えるものに変わる時、それが、あたしの中で漠然としていたものと重なる気がして。


心が高鳴るのは…"愛"故に。


そう――思った。


それでもまだ、断定出来る程には自信がない…ほんの小さな芽だけれど、あたしはそれを、育てていきたいと思ったんだ。


玲くんは近い内に結婚する。


だけど今、玲くんと心が重なれるのなら、あたしは未来よりも今を大切にしたいと…そう思った。


玲くんの未来は誰かのモノなら。

玲くんの今が欲しい。


今日の"お試し"が終わる時、ちゃんと言おう。

あたしの…心を。


ああ、本当に玲くん生きててよかった。


そしてふと、胸を押さえていた玲くんの仕草を思い出しだす。


「生きてて安心したけど、発作の方は起きなかったのかな」

「は?」


由香ちゃんがぽかんと口を開けて。

まるであたしの言葉が予想外とでも言うように。


話題を切り出したのは、由香ちゃんなのに。


「玲くん、生きてるんだよね?」

「は?」


同じ言葉を繰り返した。
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