俺様専務とあたしの関係


少しは分かる…ね。


「どんな風に見えますか?」


どうせ、適当に決まり文句を言ってるんでしょ?


あたしは専務のボロを出させたくて、わざと聞いてみた。


だけど、返ってきた言葉に、あたしは何も言い返せなくなった。


「誰かに本当の自分を認めてもらいたい。だけど、その気持ちを隠してる。じゃないか?美月の強気な発言は、その裏返しだろ?」


ちょっと…。


勝手に踏み込まないでよ。


あなたには、関係のない事なのに…。


真っ直ぐ見つめる視線に耐え切れず、あたしはシートベルトを外した。


「靴はありがとうございました。明日からも、また今日と同じスタイルで行きますので」


軽く頭を下げ、ドアを開けようとした瞬間、


「待てよ美月。相変わらず、せわしいな」


そう言って、専務はあたしの腕を引っ張ると、弾みで振り向いたあたしの唇にキスをした。


「ちょ、ちょっと…!二度も止めてください」


だから、車に乗りたくなかったのに。


必死に抵抗するあたしの両腕を掴むと、専務はさらにキスを続けた。


「ん…!」


思わず出た声に、恥ずかしさが込み上げる。


「いいじゃん、美月。お前の声って、思ってた以上に色っぽいな…」


しばらく車内には、あたしたちの乱れた呼吸の音だけが響いていた。


やだ…。


もう、最悪。




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