偽恋
問題なのは彼の表情。



私の前に立っているから、観客席からは後姿しかみえない。



だからあちこちで女子が


「カッコイイ!」
「イケメン~!」
「私なりたかった!」


などと叫んでいるのだろう。



だけど私しか見えない彼は



綺麗で整った顔がもったいないくらい



ムスッとしていて、まぁまぁ面倒くさそうな顔。



なんだかキレられそうで ばっと視線を下に移したけど


しょうがなく、私はゆっくりと彼を見上げた。




相変わらずムスっとだるそうなのに


なぜかそれまでもが かっこよく見えてしまう...容姿。



「プリンスは、1年5組池上優斗くんです!!!」



司会者がそういうと


会場はさらに大きな声援と拍手で包まれた。






い...池上...優斗?

っていうんだ....ふぅん。



すると会場はいつのまにか


『優斗』『優斗』!!


と優斗コールに包まれていた。



えっどうしたんだろう....?
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