白緑蝶"vacances【続2】
裸の体を、空の体にくっつけて
迫ってくるタマラ。

「話は後だ、まず服を着よう」

「何、照れてるの?
 
 私達、昨夜、あんなに
 愛し合った仲じゃない」

昨夜・・愛し合った?

何度も何度も、昨夜の情景を
思い出してはみても、タマラと
こうなった経緯、接点が全く
わからない。

愛し合ったこと思い出せない。

「嘘

 覚えてないの?」

「ああ、悪い
 
 全く覚えてないわ」

「ほんとにしたのかとか
 聞く気ならや(めて)・・」

「聞くかよ」

裸の二人に、乱れたシーツ

この状況を見れば無い方が
おかしい。

嫌でも納得した後、俺のこの胸
はひどく苦しむ。

それは、おまえのことを想って
痛い。
< 103 / 471 >

この作品をシェア

pagetop