白緑蝶"vacances【続2】
停車した高級車から高いヒール
を履いた足を揃えて置き

シャーベットカラーの、ミント
グリーンのマーメイドラインの
ドレスを着た私はスカートの裾
を気にしつつゆっくりと慎重に
その場に降り立つ。

ハーフアップに整え髪飾りを
つけた、ふんわりエイリーな
パーマをかけたばかりの髪が
夜風に靡く。

「さあ、手をどうぞ」

「ありがとう」

香月さんの手に触れてその場に
立つ私は完璧な洗練された女性

マカロンのようにスウィートだ
けど、ただ甘いだけじゃないの

私の胸の奥には強い意思がある

「そうだ、忘れるところでした
 ちょっと待って」

そう言うと香月さんは車から
アクセサリーケースを取り出し
高価なネックレスを私の首に
付けてくれた。

「はい、これでオッケーです
 とっても、似合ってますよ」

キラキラと輝くゴージャスな光

「カツキさん、このアクセサリ
 ーは頂けません
 
 後ほど、お返しします」

「はい、そう言われると思い
 レンタルにしましたよ」

「レンタル・・・」

丁寧に壊さないように使用しな
くちゃ、そう不安に思うと自信
のなさが自然と姿勢に現れる。
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