白緑蝶"vacances【続2】

真っ暗な空*真実

タマラは、ぼーっとどこへ
向かうでもなく歩いている。

「タマラ、いいところに来た
 紹介したい人が・・・

 タマラ、聞いているのか?」

「お義父さん、ここは私が
 ・・・」

香月さんは、様子のおかしい
タマラさんの後を追う。

たくさんの人々が集うこの場所
の一角で行われた愛の葛藤に等
関心のある人は遥かに少ない。

パーティーは、順調に進められ
みんな、お酒を楽しんだり
オーケストラの音楽に耳を傾け
る人もいれば、踊る人もいる。

私は椅子に腰掛けて俯いている

「ヒワ、落ち着いたか?
 
 ほらっ、酒もらってきたぞ」

「ありがとう」

真澄から飲み物を受け取る、私

「それにしても、ソラのやつ
 どこに行った?」

「ワタルにタカシ、ミナトに
 奥さんも一緒に探してくれて
 る、すぐに見つかるさ」

「あまりのショックに、一人で
 帰ったなんて事はないだろう
 なぁ」
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