白緑蝶"vacances【続2】
「マスミ、ほらっ

 君が余計なこと言うから
 
 泣いちゃったぁ」

私は、ハンカチで涙を拭う。

「何で、大事なもん
 自分で傷つけるかねぇ

 その、こうと決めたら後先
 考えずに突っ走るところ
 いい加減、直せよ」

「だって、しかたないじゃん
 ソラのことは許せても
 彼女の事は許せなかったん
 だもん・・・」

「女って、ほんとコワいよな

 男にじゃなく、なんで
 怒りが女に行くわけ?
 
 ソラだっておいしい思い
 したんなら、一緒じゃ・・」

「やっぱり、おいしい思い
 したんだぁ?
  
 例え、覚えてなくても・・」

ハンカチを瞳に当てる私を見た
テオさんは真澄を睨む。

「悪い、もう何も言わない
 
 おまえに泣かれるとマジ
 困る」

「僕も困ります
 
 ヒワ、泣き止んでください」

私は、お酒を一気に飲み干した

「おかわりちょうだい?」

「ヒワ
 
 飲み過ぎるとよくないぞ」
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