白緑蝶"vacances【続2】
「いいんじゃない

 あそこは俺の居場所じゃない
 
 放棄しても、この俺を誰も
 咎められない

 歌うことより、今は、ひわ
 おまえの方が大事だ」

おまえの方が大事・・・

貴方に抱きしめられて
貴方の言葉で不安は消える。

ソラは、私に手を差し出した。

「さあ、行こう?」

「行こうってどこに?」

「マスミ、悪い
 おまえに頼みがある」

「Got it.了解

 ゆらのことだろう?
 俺に任せろよ」

「相変わらず
 
 お見通しだねぇ?」

ソラは真澄に右側の口角だけを
あげて微笑んで見せた。

「まあね、早く行けよ」

「ひわ、ほらっ、行こう」

私は、もう一度差し出された
ソラの手の上に手を乗せた。
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