白緑蝶"vacances【続2】
屋敷から表へ出ようとした
その時、ソラは立ち止まり
振り返った。

「そうだ、マスミ

 ゆらのこと任せる代わりに
 明日、おまえの望み
 なんでも叶えてやるよ

 モモちゃんにも、そう
 伝えておいて」

「ああ・・・

 じゃあ、考えとくわ」

「マスミ、ありがとう
 
 後のことは
 よろしくお願いします」

私達は、手を取り合い

夜に・・・消える・・・

「叶えたい夢ねぇ~」

真澄は、さっきまでひわと
繋いでいた自分の手を見つめ
その手で髪をかき揚げた。


飛び出してきたはいいけれど
これからどうしよう

どこへ向かおう・・・

そう思った時、私はある事を
思い出した。

「ねえ、ソラ、私ね
 行きたいところがあるの」

「どこ?

 そこは、楽園?」

「もちろん」

そう、この場所は夢に見た
楽園・・・
< 177 / 471 >

この作品をシェア

pagetop