白緑蝶"vacances【続2】
テオさんに親しげに日本語で話
しかけているのは、ソラと同年
代か少し年上の男性。

私達に丁寧に頭を下げて、ゆら
に微笑みかける好印象で優しげ
な人。

でも、芸能人じゃないな。

素朴さが魅力的な人だもの。

「家に居るんじゃないの?」

「いやっ、家には戻ってなくて
 
 タマラは
 どこへ行ったんだろう?」

タマラ・・・?

「まさか?」 

テオさんは、ソラの顔を、唇を
じーっと見つめて何かを考えて
いる。

「きっと、そうだ
 
 あいつ・・・

 カツキさん
 
 タマラはきっと俺の別荘
 にいると思います」

「えっ、君の別荘に・・・?」
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