白緑蝶"vacances【続2】
ソラの両頬に手を翳し、顔が動
かないように固定した彼女は背
伸びをして口づける。

ソラの唇に・・・

私は、ゆらの瞳を自分の手で塞
ぎ視線を落とし、足元を見てた

「何してる?」

ソラの深い声に、彼女は答える

「キス

 今のキスは謝らないわ」

「タマラ、おまえ・・・」

テオさんの脇をフンと通りすぎ
たタマラさん。

「カツキ、帰りましょう
 お父様が帰ってる頃だわ」

「ああ、待って

 テオ君に皆様、この度は
 どうもご迷惑をおかけ
 しました」

丁寧に謝るご主人をよそに
さっさと歩いて行く彼女の視線
が私を捉えると、とても悲しい
目となり、視線は逸れた。

状況を見ていた百枝は言う。

「ソラさんにキスをしたのは
 あのタマラっていう女

 最初のキスもさっきのキスも
 結局は抵抗できないソラさん
 に無理やりキスした事に変わ
 りはない
 
 ヒワ、ソラさんを責めるのは
 もうやめなさい」

「ひわ」
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