白緑蝶＂vacances【続2】

タマラさんは、上着を羽織りな
がらテオさんの方を見つめるけ
れど、テオさんはもう彼女に何
も言わない。

タマラさんは、帰りたくないみ
たいだったけど・・・

「じゃあ、私達はこれで失礼し
　ます
　　
　そうだ、ソラさん」

香月さんはソラの前に立ち
ソラの手を両手で掴んだ。

「何？」

「さっきは、どうも
　ありがとうございました

　貴方の行動で私も
　気づけました

　ありがとう、では」

何の事なのかさっぱり？

首を傾げてるソラ。

「何だ、いったい？」

私は、ソラに微笑んでみせた。

香月さんはきっと、ソラが私に
感情を出してムキになって怒っ
てみせる姿に、勇気を貰ったん
だと思う。

今回の出来事でソラと香月さん
の距離が近づく。