白緑蝶"vacances【続2】
その後、私達が浜に戻るとテオ
さんや真澄達と一緒に戻って来
ていたタマラさんの姿があった

香月さんは、私達の前で宣言
したとおりその場に立ち上がり
両手を握り締めて、少し震える
声でタマラさんに思いを告げて
いた。

「振り返れば君がいない
 溺れたのかと思い、私が
 どれだけ君の事を心配したか
 ・・・
 
 こんな勝手な行動は、もう
 二度としないでくれ」

普段、怒らない人に怒られると
衝撃もすごくてタマラさんは何
も言えずにいた。

「タマラ、ちゃんと謝るんだ」

テオさんの言葉に、彼女の唇が
ゆっくりと開いた。

「ご、ごめんなさい・・・」

その言葉を受けて香月さんは
にっこりと微笑んだ。

「わかってくれればいいさ
 さあ、これを着なさい

 帰ろう
 
 お父様が待ってる」
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