白緑蝶"vacances【続2】
「はあ

 あれが、女の力かよ
 男じゃねえの?」

「有り得るねぇ・・・

 ところで、ソラは?」

「ソラなら、あそこ・・・
 
 ちょっ、おいっ

 待てよ、おいっ」

動き出す車へと駆け寄る航だっ
たが、あと一歩のところで車は
発進、夜の街に消えてしまう。

「くそっ、どうなってんだ」

「ワタルさん
 何、どういうこと?」

「あの車にソラが乗ってる」

「えっ、マジかよ」

遠くに車の姿。

その時、迎えの車が三人の前に
停車した。車内から出て来たの
は知ってる顔の運転手。

「アチャー、誘拐事件
 まさかなぁ

 なあ、ソラの他に誰か乗って
 なかったか?」

「それが、奥にブロンドの髪が
 見えたような、あれは女」

「女って
 
 もしかして、タマラ?」
 
「ああ、そうだと思う」

「とりあえず
 中に入って話そう」
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