天空のアルカディア
神殿までは約2日(馬車の馬がウルフにやられた為、徒歩)


魔導師2人が先頭と最後尾、侍女のターナとライでマリア(ライの馬に乗った)を挟んで進んでいた


ターナは栗色のセミロングの髪、黒い瞳。幼さの残る顔立ちをした15歳の少女だ


「はぁ~」


「まだ気にしているのですか?」


「マリア様…気にせずにはいられませんよ。それに侍女長に知れたら…(ブルブル)」


ターナはミスより、侍女長のお叱りを気にしているようだ


思ったより先ほどの戦闘のショックを引きずっていない事に安堵し、マリアは微笑した


「そういえば、ハースト様はずっとハンターとして?」


ふと思いつき、マリアはライに振り向く


「12歳から6年だ。それと(様)は付けなくていい」


「じゃあ、ライでいい?」


先ほどの震えた姿はどこへやら


ターナは清々しいほど馴れ馴れしい態度で聞く


ライは不快ではなく、むしろ好意的に捉えた


自分の周りには(化け物)と呼ぶ者しかいなかったから


「あぁ」


「あたしは見てなかったけど、かなり強いみたいだね。あの2人が絶賛してたよ?」


「そうでもない、魔法で動きを封じ、止めをさしただけ…魔法を使えるハンターなら誰でも出来るさ」


興奮気味に聞くターナに苦笑してライは答えた


「ふ~ん、そうなんだ」


どこか納得していない顔をしていたが、深く追及はしなかった


しかし、マリアは実際に戦闘を見た


下級魔法の無詠唱一発で黙らした彼の魔力


ーーーー彼は何者でしょうか…ーーーー


ライの力は非凡のものだ


ましてや18という若さでの力


軍の中で力のある魔導師達は大体3~40代


非凡な才である事は明らかだった


ライを最初に見た時からマリアは何か気になっていた


心臓が一段と弾むのだ


ーーー何故?ーーー


いくら考えても答えは出なかった


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