天空のアルカディア

暗躍する影

翌日


先日と同じ隊列でマリア達は森を進む


昨日はあまり話さなかったマリアもライとターナで談笑していた


「姫様、ウォール神殿が見えて参りました」


背の高い木々よりも少し上に神殿が見えてくる


白をメインとした外壁、三角帽のような黒屋根


多少風化はしているが、それが歴史の長さを伺わせる神殿


マリア達が神殿の前に着くと数人のシスターと中央に仰々しい服を着た老人が出迎えた


「私は司祭のベーゼ、報告は受けております。よくご無事で…」


老人が前に出て頭を下げる


「いえ、盾となって下さった騎士達、それにこの方のおかげで辿り着けました」


馬から下り、ライを紹介するマリア


「っ!?」


一瞬だが殺気を感じるライ


紹介された時、頭を下げていたので誰が向けたものか分からない


目の前の司祭、シスター達はにこやかな笑顔を向けている


ーーー気のせいでは…ないな。依頼された対象の駆除が遅かったからか、或いは…ーーー


「数日前にもお会いしましたね。姫様をお守りして頂いた事も神の導きでしょう。戴冠式までの間、ゆっくり体を休めて下さい」


そう言って司祭達は神殿に入るよう促す


マリア達はそれに続いた



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