片翼の天使たち~fastlove~
私、つくづく遥翔のキレるスイッチ入れるのが上手みたいです。
「サクラ…ってめー…」
「わぁぁああ!!ごめんっ、ごめんねっ!?」
拳を握り、不敵な笑みで今にも襲いかかってきそうな遥翔を全力で止める。
ま、まさか…こんなに怒られるとは思ってもみなかった。
そうだよね。
なんたってこの人、なんだかんだ言って生徒会長なんだよね。
…キャラじゃない気がするけど。
だけど、私は…以外にも。
___みんなをまとめてる、生徒会長の姿がカッコいいと思うの。
ぶっきらぼうで
いー加減で
なにかと毒舌で…。
でも
みんなのこと、結局はちゃんと考えてんだよね。
そんな奴って知っているから私、生徒会に入ったわけだし。
まぁ…性格ひん曲がってるのが痣なんだけど。
「お前さっきから聞いてりゃぁ、人のこと好きかって言いやがって。…ムカつく」
「や!ちょ、ちょっと!髪の毛はやめて!!」
遥翔は大きな手で、せっかくセットした髪をぐしゃぐしゃと、それも楽しそうに崩していく。
あぁー…。
やっぱり悪魔だよ。この方。
すっごい笑顔だこと。
頭の上に音符まで見えるし……。
あなたの頭に五線譜引いて差し上げましょうか?って言いたいぐらいよ!!
「もうっ!」
「牛?」
「…っ、バカ!!」
遥翔に髪を、ヤバくない?ってほど崩されて、ご機嫌超ななめな私。
しかも…牛呼ばわりだし!!
「もぉ、怒った!!」
「いや、すでに怒ってるだろ。っつか、また牛……ぶぶっ!」
目に涙を滲ませながら、大爆笑する遥翔。
まだ笑うか、コノヤロー…。