ショコラ~愛することが出来ない女~

「好きです。
自分の意見をきちんと持ってる康子さんが好きです。

俺にとって、年齢は関係ないんです」

「……」

「でも、俺が忘れらせるとか、大きいことを言うには資格が足りないですからね。
また出直します」

「庄司くん?」

「帰ります。今日の事は忘れてください」

「え?」


落ちていたシャツを着こんで、彼は足早に玄関へと向かう。
追いかけようかと思ったけど私は裸な訳で。

もたもたと服を捜しているうちに扉は閉まってしまった。


残された私は、静まった部屋に一人きり。
先ほどまで感じてなかった空気の寒さが途端に気になる。



「……ちょっと惜しかったか?」


なんて呟いてしまうのは、
私が肉食女子だからなんだろうか。



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