ショコラ~愛することが出来ない女~
詩子の仕事終わりに合わせて待ち合わせ場所に向かう。
先に詩子の方が来ていて、遠くからそれを見つけた庄司くんは息を飲んで呟いた。
「すごい、康子さんにそっくりだね」
「同じ顔なら若い方が良いとか言わないでよ」
「あはは、言わないよ」
思わず呟いたヤキモチを一掃するような返答に安心する。
私は愛されていたいんだ。
ずっと、出来れば一番に。
「母さん、こっち」
相変わらず快活そうな笑顔を見せる娘に顔が綻ぶ。
「はじめまして。庄司桐悟です。ええと、詩子ちゃん?」
「はい。相本詩子です。はじめまして。母がいつもお世話になっております」
さすが接客業。最初の挨拶はそつなくこなす。
詩子と庄司くんは、お互いの身辺なんかを軽く話しながら先を歩いている。
彼と詩子が歩いていたって別に違和感はない。恋人同士と間違われるかも知れないくらいだ。
私といるときは、周りからはどう見えているのだろう。