ショコラ~愛することが出来ない女~
正直、出ないと思ってた。
こんな非常識な時間に、別れた妻からの2年ぶりの電話になんて。
だけど、隆二くんは懐かしいとさえ感じるほど普通のトーンで電話に出た。
『もしもし、康子さん?』
「隆二くん」
『携帯替えてないんだね。良かった』
その言葉を聞いて、涙がこぼれ落ちて。
私は、病院のロビーに膝をついて、泣き叫んだ。
隆二くんは私の居場所と、そして何が起こったのかを聞いて、慌ててやってきてくれた。
「私のせいよ。二人きりの親子なのに、勝手に遊び歩いて。
母さんが死んだのは私のせい」
そう言った私の頬を、軽く叩いて抱きしめてくれた。