ショコラ~愛することが出来ない女~
「もししてないなら、データ化してもらえるかしら。
キーワードで検索できるとなおいいんだけど」
「はい」
「お客様の声は、会社にとって宝よ。
それを有用出来るように加工するのが私たちの務め」
「……はい」
「思わぬヒントが隠れてることもあるわ。
私たちは、情報の取りまとめのエキスパートでならなくてはならない。
でなければ、良い情報を届けられないでしょう」
森宮さんは挑むように顔をあげた。
そしてきっぱりとした口調で話しだす。
「ええ。取材とかで手を抜いたことなんかありません。私もいつもライターさんに言ってます。取材したものをきちんと伝える熱意を持って書けって」
プライドを持った女の顔。
いいわね。そういうのは嫌いじゃない。
「素晴らしいわ。発信する部分ではそれはもちろん正論。
私たちは実際はそのモノづくりをしている人間じゃない。
そしてモノづくりをしている人は得てして情報を発信するのが苦手なものよ。
取材でいかに彼らの製品の魅力について聞きこめるかってとても重要」
「分かってます」