ショコラ~愛することが出来ない女~

「そして、それを読者さんの目線に合わせて紹介するのが私たちの役目よ。
どれほど製品が良かったとしても、読者にとってメリットが感じられなければ意味は無いわ。
私たちのような雑誌社は、常に読者からの見え方を考えなきゃ駄目だと思う」

「……っ」


森宮さんが息を飲んだけど、私はお構いなしに続けた。


「だから、読者さんからの意見というのは大事。
そこから、新しい企画や改善点を見つけ出すのも私たちの仕事よ。
読者さんは物書きじゃない。明確な指摘点を出せる人なんか殆ど居ない。でも出された意見にはそのヒントが絶対にあるはず。
それを逃がしていたら勿体ないでしょう?」


私の口をじっと見ていた森宮さんが、少し間を開けた後ようやく話しだした。


「……分かりました。明日までにデータ化します。
終わったらメールで送りますね」

「ありがとう」

ホッとして笑顔を見せたけど、森宮さんは特に笑いもせずに頭をさげて出て行った。


「はー」


途端に庄司くんが一つ溜息をついて、興奮したようにまくし立てる。


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