ショコラ~愛することが出来ない女~
12月の19時はもう暗い。
吹きつける風も寒くて、コートの前を合わせて縮こまる。
やがて、電車が到着し小走りに詩子がやってくる。
長い髪を一つに結って、シンプルなAラインのコートと黒のブーツ。
格好はいたってシンプルなのに目につくのは、やはり整った容姿のせい。
感謝して、詩子。
それは私からの遺伝よ。
「母さん、久しぶり」
「久しぶりね。元気だった?」
「もち。元気よ。ねー何食べに行く?」
「そうね……」
2人なら少し待てばどこでも入れるだろう。
「この間、接待で行ったフレンチの店がおいしかったから連れてってあげる」
「やった。母さんって店色々知ってるよね」
「まあね」