ショコラ~愛することが出来ない女~
「つか父さんはウザイよね」
「そう?」
「うん。ちょっと遅くなっただけで電話かけて来てさぁ。
『詩子ぉぉぉぉ』とか地響きみたいな声出すんだもん。イヤになる」
「詩子の事が心配なんでしょ」
「小さい頃なら分かるけどね。もうあたし大人なんですけどもって感じ」
唇を尖らせて眉を寄せる。
「まあまあ」
なんて言って宥めてみてるけど、本当は羨ましい。
隆二くんは私に対してはそんな事しない。
仕事のことも認めてくれてた。
遅くなる時も、ただ時間を聞いて駅で待っていたりしてくれただけ。
束縛されたい訳じゃないけど、理解があり過ぎるのもつまらない。
私の仕事を認めてくれるなら、私だって彼の仕事を認めないわけにはいかないじゃない?
「そんなケーキの事ばっか考えてないで私をみて」って。
言いたくても言えなかった。