ショコラ~愛することが出来ない女~

 デザートまできっちり食べ終えて、満腹状態で私たちは店を出た。


「ありがとう、詩子。色々参考になったわ」

「ん。こっちこそごちそう様」

「どういたしまして。また今度買いものでも行きましょうね。メールするわ」

「んー、じゃあね」


さらりと、身を翻して駅に向かう。
あの子の行く先には隆二くんが居る。

私も行きたい。
だけど、この時期の隆二くんに会ったって腹が立つだけ。


「……詩子!」

「んー?」


振り向いた一瞬の顔は私にそっくり。

せめて隆二くんに思い出させたい。
私の事。

ただあなたの幸せを願うような恋は私には出来ない。

いつまでも忘れないで。
しこりのように胸に残して。
他の人なんか好きにならないで。

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