〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
私は、
ショウゴ君の背中に目線を合わせ追い掛け、
二階へと急いだ…。

耳に入った巨大な爆発音は確かに聞こえた……。

しかし見た所、
いつもと変わり無く
破壊された様な形跡も無く不審に思えた。

「…おっかしいなぁ〜。
何とも無いぜっ
図書室も多目的ホ‐ルも、残すは、あの奥にあるあの扉」

ショウゴ君は、
怖がる様子も無く
扉の前まで行くと、
勢い良く扉を開いた。

“ガチャンギィ―“

扉は、鍵が掛かって居るわけでも無く普通に開く。

部屋の中は、
特に変わった事は無く、
何かに使われて居る感じとは違い、何も置かれていない只(ただ)の部屋。

「ん?…何だっ?」

ショウゴ君は何かの異変に気付き、不審に思ったのか壁を触る。
“ス―”っと手が中に入りおかしな壁が。

「おぉ〜何だっこれは」

壁にショウゴ君の手が吸い込まれ
少し感動気味のショウゴ君。

感動にひたって居る場合ではなく、早く
ダイキ君をっと思った瞬間余震が……。


“ゴォオオ……”
余震が身体を揺らし、
ショウゴ君は手を入れていた壁に引きづり込まれ
私は、ショウゴ君の手を
とっさに掴み、
同時に引っ張られそうになる。

“ガタガタ……”

「なっ何やってんだよっ!ダメだっ来ちゃ!」

ショウゴ君は私の行動にびっくりしたのか、
私の手を払い除けようと、“ブンブン”上下に
振り落とそうとしてきた。

「ショウゴ君!!」

私が叫ぶ頃には、
ショウゴ君は瞬く間に吸い込まれ、
壁は元のただの壁に戻ってしまった。

“ドンドン”

いくら壁を叩いても、
中に入ることが出来ず、
もどかしい気持ちが込み上げる、焦りと不安が
心をぐちゃぐちゃにされ。

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