〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
8月20日…、ショウゴ君達が消えてから3日後。

“トントン”

私の部屋のドアをノックしてきた。

余り今は誰かと顔を合わせたく無い、
心は完全にあっちのけの私に、
ドアを叩く音が耳に入り、気になってしまう。

“ガチャ”

返事をしない私に対して、鍵を掛けてなかった事もあり、
誰かが入って来たらしい。

私はうつ伏せになり、
寝た振りをした。

“ドスドスドス”
“ドスドスドス”
二つの足音が
私の気持ちを逆らうかの様に、近づいてきて。

無性にも…うつ伏せになっていた私を無理やり
仰向けにされ
背中を持たれ、
無理やり起こされた。

「菜月さん……?」

聞き覚えのある声、
優しい声が聞こえたと思ったら、
その後ろからも声が。

「うわぁ〜ん菜月さんがしんじゃったよぉ〜」

大きな声でいつの間にか、私は死んでしまったかの様に、泣かれ……。

私は、びっくりして
目を開ける。

そこには、
ゆうや君と、ハルキ君の姿が。

「うわぁ〜ん……んっ!?あ〜っよかった、
菜月生きてて、うっ」

ゆうや君が、
ハルキ君の方を振り返り
何か訴(うった)えて
居る気が、
ハルキ君の顔が物語って居た。

“ガサッ”

ゆうや君の右手に袋が見えると、私の方に見せ付ける位置に手をあげ
肩の辺りで止まる。

もう片方の手は、
私の背中に充(あ)てられかすかに“ブルブル”
震えて居るのが伝わってきた。

顔は、少し怒った顔。

「カノンさんがここ何日も部屋から菜月さんが
お風呂やトイレ以外は出てこないって、
メールが来たから
ご飯も食べずにずっと
何をしているか心配で」

ゆうや君もハルキ君も
カノンさんから連絡を貰い慌てて私の部屋に…。

私は、ゆうや君やハルキ君に迷惑を掛けてしまった事を、反省した。

「ごめんなさい……心配かけて」

寝てばかり居たせいか、
身体がかなりダルい事に
始めて気付いた。

「ゆうやズルいよっ
菜月さん触って
僕も……」

“ガサッ”

ハルキ君はゆうや君の袋をすかさず奪い取ると、
中からサンドイッチを取り出した。

「っ!ハルキそれは僕が買った……」

ゆうや君はハルキ君の行動に不満を抱き、
文句を飛ばす。

ぷぅ〜っと口を膨(ふく)らませ、
不満な顔をゆうや君に見せ付けている。

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