〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
19話「夏の合宿前編」
私はゆうや君から紙を受け取ると、
ゆうや君達は気を使って居るのか、部屋を出た。

私は……、前から山に行きたかったので迷わず
山を選び、
部屋からカノンさんに居合わせ、
カノンさんが一階の参加申し込み用紙を
自分の分を入れるついでに箱に入れに行ってくれた。
2日後、しっかり食べていた事もあり何とか合宿に
間に合った。

「あっ!お〜い菜月さん」
みゅうなさんが赤い
リュックを肩に下げ
右手を左右に振りここっ
みたいに笑顔を向けて来た。

「これでみんな揃ったって言いたいけど
おっかしいなっ…
ショウゴ君退院したはずなんだけど知らない?」

つまさきを立てて学園の
生徒を見回す。

「……」

私はみゅうなさんに
言えなかった。

壁に閉じ込められて消えた事を。

「もしかしたら、
海に行ってしまったのかなっ?
どっちにしても残念
久しぶりに
山に行けるなら、
それはそれで楽しみだからいいかなっ」

「そっそうだねっ」

私は複雑な心境を言わず、隠し通そうと思った。


「学園の生徒の、
“山”に参加の皆さん、
そろそろ空飛ぶ
馬車にお乗りください、
各座席自由です」

案内役の薄い水色の髪の
男性が半袖シャツに薄い焦げ茶色の半ズボンを
着こなし、
こっちですよ〜っと
誘い込む。

「席が自由!?
あっほらっ先に場所取らないと無くなるわよ〜」

っと、
先に走って行ってしまった。
ふと……馬車の乗り込み
場所を見ると
以前見たことのある女の人が。

「まっまさか、でも見間違いかも知れないから」

私はあの時確かに見たのをはっきり覚えて居た。

私が今乗ろうとしている
馬車は以前乗った物と同じでも……ニ‐ナは居ない。

白いペガサスは、
私達を運び、
“空中散歩”を
楽しませてくれる。

「ん〜やっぱり空の旅は、気持ちいい」

顔を出し、みゅうなさんの髪の毛が風に流される。

「ん〜!?菜月さん?
何か元気無いねっ
ははぁ〜ん男子は今回も別の馬車だから淋しいんでしょ〜、向こうに着いたら
会えるから大丈夫よっ」
みゅうなさんは、
手に抱えているお菓子を
頬張(ほおば)りながら、山に着くのを楽しみにした
学園の女子の生徒は
約150人……海の方が人気だったのかなっ。
この馬車には、約20人位だけど…ふと、
私は少し後ろの後部座席
に座る女の人が気になる。
“シュ〜”

「あっ……急に降り始めたもう目的地に着いたのかなっ?」


馬車は、
生い茂る草木をかき分け…と言うより、
自然が馬車を避けて居るようにも見えた。

「すごい〜!!丸で自然そのものが、迎え入れてくれて居るみたい
こんな綺麗に道を作って…」


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