〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
「あれ?ショウゴ君の姿無いねっ…?」

みゅうなさんが
ショウゴ君の姿を、
確認出来ないみたい。

「私…その辺り探してくるねっ」

「じゃぁ〜私もその辺り、探してみるよっ」

みゅうなさんは私が1人で探すつもりが、
みゅうなさんも探すのを
手伝ってくれるように、
お互い二手に別れ、
ショウゴ君を探した。

『どこに行ったんだろう』
“がさっがさっ…”

下に生えた草が、
靴に当たり、
少しむず痒(かゆ)い。

『居ないなっ勝手にどっか行くなんて…』

バーチャル世界でも
辺りは少し暗くなり始める。

「ショウゴ君〜」

私は恐る恐る
名前を呼んでみる

何も反応が無い…。

滝の音が耳に入り、
気になり近づいてみることにした。

『滝…こんな所にあったんだっ…』

“ザ‐”

水しぶきの音が疲れを、
癒してくれる。

滝の音も冷たい空気も、
匂いも本当に、自然の中に居るような不思議な気分。

私は滝の近くに、
段々(だんだん)
近づいて行く。

「君をただ見つめている…ただ傍に居たいから♪」

誰かが歌って居る…とても優しい声…、
自然の中に溶け込むような、素敵なラブソング。



「遙か遠い未来に、君は、居るのか…♪」

“ぽちゃん…”

私が足を滑らせ、
小石が滝の水に落ちる。

『あっ…まずい…』

ショウゴ君は、
私の落とした石の音に、気付く事無く、まだ歌い続けている。

ショウゴ君は、歌う事に、真剣…。

月の光に照らされ、
神秘的にも思えた。

私は邪魔しないように、テントに戻る事にした。

――。

「菜月さん…ショウゴ君
見つかった?」

みゅうなさんはまだ見つけて無いみたい。

『さっきのショウゴ君の事を伝えるのは何となく、悪いような…』

「うぅ〜ん、探しても
見つからないから諦めて
帰って来たっ」

「ほっといても時期帰って来るでしょう、
それより先に食事にしましょう」

リョウ君は、
ライバルだと思って居るのか声や態度から
ちっとも
心配しているような、
空気も余り伝わって来ない。

「みんなで集めた物でしかも、山の物を食べるって、中々味わえないから」

みゅうなさんは、
どんな事態でも明るく前向きで、ちょっと羨ましく思えた。











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