咲き舞う華は刻に散る


一人、二階に残された美桜里は呆然と立ち尽くしていた。



桐生に次いで、殺したと思っていた陽真が生きていた――。


そして、彼は美桜里に対して、憎しみを抱いていた。



かつて、彼女が彼に抱いたように…。



「憎しみは憎しみしか生まない…か…」



昔、誰かが言っていた言葉。



憎しみは憎しみしか生まないと分かっていても、それをやってしまうのが人間だ。





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