咲き舞う華は刻に散る


「…少し前に目ぇ覚ましたが、また寝ちまった」



土方は書状を見ていた視線を彼女に移す。



美桜里は全身に怪我をしている。



寝間着の袖や襟元から所々白いサラシが見え、痛々しい。



「美桜里ちゃんの怪我、まだ治らないの?」



「…ああ。美桜里が鬼の治癒力を持っているなら、とっくに治っているはずなんだが…」



あの一件から一週間が経った今も美桜里は怪我が完治せず、床に伏せている。



近藤に彼女の正体の事を話し、彼伝いでこの事を会津公に問い合わせてみた。



しかし、札が影響しているのではないかという情報を得ただけで、詳しくは分からなかった。






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