咲き舞う華は刻に散る


夕刻――。



美桜里は縁側で自分の身体について考えていた。



彼女の身体は致命傷を負わない限り死ぬことはない。



鬼の血が入っていることによって、傷も治るし、病にもかかりにくい。



しかし、人間は違う。



傷を負えば、死に至る可能性もあるし、病にもかかる。



混血の美桜里に比べて、人間は弱く脆いモノなのだ。



「私はあいつらに何がしてやれるんだ…?」



彼らは美桜里を支えてくれている。



しかし、よく考えてみると、彼女が彼らに何かしてあげたことがない。



美桜里は膝に肘を置くと、その上に顎を乗せ、空を見上げた。





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