咲き舞う華は刻に散る
すると、風が吹いた。
「美桜里様」
「お前は…ッ!」
彼女の目の前には行方を眩ませていた泉羽がいた。
美桜里は咄嗟に刀に手をかけ、身構える。
「美桜里?何かあっ――、てめぇは!!」
部屋から出て来た土方も泉羽の姿に警戒した。
彼の部屋に沖田達も集まっていたらしく、皆出て来た。
「今更、主の敵討ちに来たの?」
藤堂は怪訝そうに泉羽を見ている。
その場にいた誰もが桐生の敵である美桜里を討ちに来たのだと思っていた。