咲き舞う華は刻に散る


「と、突然何を言い出すんだよ。お前は…」



「いえ、人間を嫌う貴女様が新選組を庇うのにはそれしか考えつかなかったので…」



確かに美桜里は人間嫌いだった。



でも、新選組で暮らして、そんなことを思わなくなっていた。



泉羽曰く、それは恋しい人がいるからだという。



それはつまり、美桜里が彼らの中に誰かに恋をし、守りたいと思ったということになる。



前の美桜里だったら、有り得ないと即答出来る。



しかし、今は――。



「…分からない。でも、此処にいて、気持ちが変わったのは確かだと思う」



そう言うと、美桜里は視線を下に向けた。






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