咲き舞う華は刻に散る
ふと彼がさっきまで口に当てていた懐紙が目に入った。
そこにはべっとりと赤黒い血が付いている。
「総司…、それ…」
美桜里が何を見ているのかを気付いた沖田はバツが悪そうに懐紙を隠した。
「見なかったことにして。今、俺は隊を離れる訳には――、ゲホッ、ゲホッ!」
また激しい咳が沖田を襲う。
もう総司は限界だ――。
美桜里は瞬時にそれを悟った。
「総司、隊を離れよう?」
「何言ってるの、美桜里?俺はまだやれるよ?ほら」
沖田は腰に差している刀を抜こうとした。