咲き舞う華は刻に散る


しかし、それは彼の意思に反し、虚しく地面に落ちた。



「何で…、何で握れないんだよ…。俺は新選組一番組組長、沖田総司なんだよ?これじゃあ、近藤さん達の役に立てないよ…」



彼は近くにあった石に座ると、額に手を当てた。



額に当てられた手や細くなった肩は微かに震えている。



「総司…、隊を離れよう?」



美桜里の問い掛けに彼は力無く頷いた。



こうして、新選組一番組組長沖田総司は療養のため、離隊した。






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