咲き舞う華は刻に散る


「今まで何してたんだい!?心配したんだからね!!でも、ホントに無事で良かったよ」



仙台に戻った美桜里達は大鳥に説教を受けていた。



大鳥は面白い人物だ。



怒ってたかと思うと、急に泣き出したり、泣いてたかと思うと、笑い出したり…。



「百面相だな…」



「ぷ…っ」



美桜里がポツリと呟くと、土方は吹き出した。



「何笑ってるんだい、土方君!私はホントに心配したんだからね」



また怒り出した。



美桜里は必死に笑いを堪えていた。



「悪かったって、大鳥さん」



「まったく…。それより、蝦夷行きが正式に決まった」



「っ!」



土方の肩がピクリと揺れた。



「明日には仙台を出る。用意をしておいて」



大鳥はそれだけ言うと、屋敷の中に入って行った。



土方もその後に着いて行く。






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