描かれた夏風
ルカが死んだ翌日以来、一度も智先輩と会っていない。
同じ学校だとはいえ、学年も教室がある棟も違うのだ。
ルカという名の細い糸が切れた今、私と智先輩をつなぐものは何もない。
そう、何もないのだ。
それなのに。
自分勝手な約束にすがろうとしている自分が、とても浅はかに思えた。
――文化祭の代表になれたら、智先輩は私の絵を見てくれるだろうか。
また優しく目を細めて、まぶしそうに微笑んでくれるだろうか。
一方的に告げただけで、智先輩は聞いていなかったかもしれない。
そんな約束未満の約束が、私の心を確かに支えてくれていた。
――駄目だよ。理由にならない。
……ごめんね、西口さん。
ああ言って拒絶されたけれど、私はやっぱり智先輩が大好きだ。
その気持ちだけは消えない。消したくない。
切なくて苦々しい恋心だけど、抱えたままでいたかった。
文化祭の代表に選ばれる。
そんな目標を胸に、私はただひたすら絵にのめり込んでいった。
同じ学校だとはいえ、学年も教室がある棟も違うのだ。
ルカという名の細い糸が切れた今、私と智先輩をつなぐものは何もない。
そう、何もないのだ。
それなのに。
自分勝手な約束にすがろうとしている自分が、とても浅はかに思えた。
――文化祭の代表になれたら、智先輩は私の絵を見てくれるだろうか。
また優しく目を細めて、まぶしそうに微笑んでくれるだろうか。
一方的に告げただけで、智先輩は聞いていなかったかもしれない。
そんな約束未満の約束が、私の心を確かに支えてくれていた。
――駄目だよ。理由にならない。
……ごめんね、西口さん。
ああ言って拒絶されたけれど、私はやっぱり智先輩が大好きだ。
その気持ちだけは消えない。消したくない。
切なくて苦々しい恋心だけど、抱えたままでいたかった。
文化祭の代表に選ばれる。
そんな目標を胸に、私はただひたすら絵にのめり込んでいった。