【完】最初で最後の恋
前に佳織さんは俺を優しく包みこんでくれた。
そのときの佳織さんは、とても大きく感じた。

だけど……

今、自分が抱きしめて、分った。

彼女は、細く、華奢で…。
なによりも、大きい。
けど…なによりも、小さかった。
こんな小さな体で…3人を守ろうとしてたんだ…。
「佳織さん。辛いトキはさ、泣いてもいいんだよ?って、前に言ってくれましたよね」
「っ、」
「泣いて、いいんですよ――…?」
そう言うと、彼女はボロボロ涙を流した。
「ぅ…ぁっ…ヒック…くっ…」
とても、綺麗な涙を。
「やぶっ…きくっ…ヒク…」
彼女は、ずっと…
誰かに甘えたかったのかも、しれない。
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