それでも君を


その夜はなんだかスッキリした気持ちで眠りについた。


ちゃんとバイバイを言ってナオに褒めてもらおう。それから一緒にご飯に行きたい。次は私がナオのためにおいしいご飯屋さんを用意するんだ。ナオの嫌いなブロッコリーとパクチーは出さないお店にしよう。

今度は私がナオのことを想って何かしたい。ナオのために。





―――――――――‥



次の日いつもよりも気合いを入れて身嗜みを整え会社に出社した。

エレベーターを待っているとおはよとナオが声をかけてきた。



「ナオ、おはよう。昨日はごめんね。」


「そんなん全然ええけど‥ユリちゃん今日なんか気合い入ってへん?」


私の上から下まで何回も見直す。


「気合い入れてきたの。かわいい?」


「かわいいけど‥なんなん?なんで?」


少し不満げな顔をしたナオは私から目を逸らしモニターを見ている。


「久しぶりに会って綺麗になってたほうが格好つくでしょ。そんではっきりもう会いませんって言うの。」


「ふーん、とりあえず今日落ち着いたら連絡ちょうだいな。気になって寝れんくなりそうやし。」


「うん、わかった。」


「じゃあ俺このまま会議やから。今日頑張ってな。」



頭にポンと手をのせひとつ笑って右に曲がって行った彼を少しの間見つめていた。
手をのせられた頭がなんだかくすぐったくて自分の手を重ねてみた。

なんだかあっという間にナオに持ってかれてるなぁ、私の気持ち。



いままでナオが私のことをそんな風に見てることにも気付かなかったし、私もナオことをそういう対象で見てなかったのに。
人の心は不思議だな。


そんなことを考えながらデスクについた。




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