タイムリミット

みんなの前で走る自分を想像すると

顔が火照った。


熱い。
すごく顔が熱くて…



陸上が好きなんだもん!
ちゃんと頑張らないと!!!


「よしッガンバロ!!!」
ぐっと手にこぶしをつくった

夕暮れの赤い空が目に入る


明日は、きっと晴れだな

すっと晴れた空


その中で思いっきり走ったらどんなに気持ちいいんだろう


十字路の信号をしっかり確認してから渡ろうとした


大丈夫…

きっと。


ちゃんと確認したもん



夢で私を引いたトラックはさっき通りすぎた。
だから、

大丈夫。


そう思って、白いラインを踏んだ

〈そこのバイク!止まりなさい!〉


パッと横を見ると真っ黒なバイクが曲がってきてその後ろから猛スピードで白バイがきた





ドンッ


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